ACE COMBAT 04 shattered skies
The contrail which drew a blue ribbon.

Mission3

北の目の破壊

「オメガ3撃墜。おりてこーい」
 訓練中、やっと僕も最初の脱落者の座からは降りることが……。
「あ、ヴァイパー4撃墜。レイピア12やるように……あ、レイピア12、トーテム1共に撃墜」
 すぐ近くをメビウス1とイーグル1が擦れ違う……ううう……5分もたなかった〜。
「メビウス!次はてめぇの番だ!!」
『やなこった……』
 ちなみに今回の訓練、今までと少し毛色が違う。

「うう……土手っ腹にべったりと……」
 機銃にペイント弾が使われている……もちろんぶつかったときの判定もしっかり……。
「そう言えばこれ、整備のお姉さんは知っているのかな?」
 多分こんなの見られたら盛大に怒るわけで……。
「あん?言ったら殴られるに決まってるだろーよ。このぐらいの緊張感が無いとなぁー」
「僕等そんなの聞いてませんってばーっ!」
 こないだ卍固めされるメビウス1を見て以来、彼女はISAFにおける恐怖の象徴となりました。

「ほっほ〜……そーんな訓練実施してるのかいゼロ1は……」
 噂をすればなんとやら……って。

 ゼロ1の悲鳴が響きわたる。のどかな昼下がり……に、ならなかった。
「てめ〜らも覚悟しやがれ〜っ!!」
「「ぎゃーっ!!」」
 その頃上空では……。

「メビウス1……通訳んとこ行きたくないか?」
「…………NOだ」
 整備士の雷を押しつけるべく熾烈な空中戦が繰り広げられていた……結果はと言うと。

「お前ら……弾切れ起こして実戦だったらどうするつもりだったんだ……」
 ちなみにこの訓練、ミサイルの使用は禁止。メビウスには一種のハンデになっていた。
 確かに機銃だってタダじゃないもんね。
 まあ、二人の機体にはペイント弾が全く付いてなかったから整備士の雷は免れたんだけどね。

 さて、今回の作戦は連合軍の撤退の障害となっている山地のレーダー破壊。
「このあたりは敵の制空権下だ。敵機に警戒せよ」
 僕等にとって始めての敵地での任務と言うことになる。

「すっげ〜……雪で真っ白だ」
 ノースポイントも結構な雪景色だったけどここも凄いや……。
「最大の敵は地面です。墜落に注意してくださいね」
 むぅ。レイピア12に釘を刺された。解ってるよ。
『雪の反射がきついかな……』
「あれ?今なんて?」
「雪の反射にも注意だってさ」

「ターゲット破壊後は方位180(南)へ向かい帰還する。帰るまでが仕事だ。忘れるな」
 スカイアイへの「了解」と共にミッション開始。
「敵のレーダーはもうこっちを捕らえているはずだ。歓迎隊に注意しろよ」
 と、言っている所で早速通信傍受。

「こちらシェズナ・レーダー1。敵機侵入。方位135。全機交戦を許可する。レーダーに近づけるな」

「敵機視認。迎撃する」
「結構な数の歓迎だ。今日こそは俺がエースを貰うぜ!」
 そう言うとメビウスとイーグルが迎撃に飛ぶ。
「おーい。施設小さいんですからー……って、無理かな。戦闘機はエース達に任せて、我々でレーダー壊しますか」
「こちらレイピア6。二人の後ろに付いた連中は私が落とすから、思う存分暴れてらっしゃい」

「おい。レイピア12。どっちがエースだって?」
「そりゃあ毎回訓練一人勝ちのメビウスに決まってるじゃないですかイーグル君。あ、私が地上施設撃破数トップになったら、お茶でもどうです。レイピア6?」
 ……このセリフを、酷く後悔するハメになるなんて、レイピア12はまだ知らなかったわけで。

 まあ地上施設の破壊なら結構楽なんだけど戦闘機よりこっちのが多いからねぇ。
「トーテム1。フォックス1」
 先制点は僕。ついでにもう一個を機銃で撃破。
「レイピア6。一機撃墜」
 バックは彼女に任せてOKみたいだ。今日は気持ちよく暴れられそう。
「レイピア12。レーダー破壊」

「イーグル1。フォックス2。撃墜」
「メビウス1。フォックス2。二機撃墜」
 戦闘機の方も二人の独壇場状態。こりゃあ楽に帰れるかな。

「敵機接近、敵機接近、真上まで来ている!」
「……真上?あ、あんな所にあったんですか」
 あ、レイピア12の撃ち漏らし発見。
「ニシシ。メビウス1が言ってなかったっけ?雪の反射にも注意って」
 白い雪に白いレーダー。良い保護色になってたわけだ。

「レーダーが破壊された!」
「こちら攻撃部隊。任務完了」

 流石にレイピア12も同じへましなかっただけあってかなり早く片づいた。
「おいおいこれからレーダー破壊しようと思ってたのにもう終わりかぁ」
『お見事』
「あーあ……お茶はまた今度になりますか。大した射撃技術です」
「トーテム君。今度お茶でもどう?メビウスも一緒に」
 と、仲間達からの賛辞の言葉を貰って上機嫌。
 ……最後のは明らかな下心が見え透いてるけど。

「おーいお前ら〜はしゃいでないで帰ってこーい」

 と、言うわけで、今回何事も無く無事に帰って来られました。

 て、それだけで終わるわけ無いんだけどね。
 イーグルと整備士さんが何か相談している。
 それを見ている僕の横では……。
「いやはや……お茶はまたの機会に」
 レイピア12……君は軟派が好きだったんだね。
「そうね。それに、今日はそんな暇なさそうよ」

「レ〜イ〜ピ〜ア12ぃ〜♪」
「おや、どうかしたんですかイーグル君?」
「エースは誰だって〜?」
 イーグル1……それもそれで見苦しく……レイピア12逃走体勢。
 あ、レイピア6に捕まって押しつけられてら。
「うふふ。私を口説こうなんて10年早いわよ」
 今日の卍固めはレイピア12でした。あー怖い怖い。

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