――1306年:砂漠の辺に位置する村にて大規模な密猟団が摘発される。
 同時に密猟団と都市部の高官との間にあった贈賄も摘発される。
 砂漠の辺の村にて、首筋に墨のような出来物の出来る病が確認される。
 同様の症状が同村と交流のあった村で確認、その後爆発的に感染が拡大する。

 焼けこげたような出来物と、村ぐるみで行われた密猟。
 この病はそれにちなみ、『火怨病』と名付けられた。

――Case1:消えゆく場所にて

 乱獲によって、飛竜の姿が消えた地。
 獲物がいなくなったが故に、ハンターの姿が消えた村。
 蔓延した病によって、この世から消えようとしている村。
「どっちにしたって、こんな状態じゃ帰れないわよ」
 その入り口で次期ナイツ筆頭……ルシフェンは、愕然とする他なかった。

「ザインさん……」
 首筋から頬に枝葉のように広がる、黒ずんだ出来物を作った蒼髪の彼女。
 もう解るでしょうと問いかける彼女は、変わらず美しかった。

 彼女の纏う角竜の鎧が守るのは今やその身でない。
 彼女を蝕む病から、触れる者を守る物に。

「でも、あなただけでも……!」
 彼女の手を取る。無理にでもドンドルマに連れ戻す。
 それが彼……ルシフェンの目的であり、彼女の夫サイラスの頼みでもあった。
 叶えるのに、自分がどれだけ無力かも解った上で。
「ディが生まれた時とか、本当は言いたいことが山ほどあるんだけどね」

 ドッ……!

 衝撃。痛み。薄れる意識。
「え……」
「あなた、結構派手に動いてるらしいじゃない」
 鳩尾に拳を受けたと気付いたのはその後。
「今ぽっくり逝くわけにいかないんじゃない?」

 その様子を呆然と見ていたのは、白い一角竜を従えた赤衣の青年。
 いつもならおどける彼も、言葉を出せずにいる。
 戻ったら、ドンドルマで初めての友達に言わねばならないかもしれないから。

 君の両親は、ここで死ぬことを選んだ、と。

   ――――『火怨病:ナミダウタ』――――

 こちらを脅えるように一度振り向いた、白い一角竜の背中が小さくなっていく。
 見送るザインは、溜息を一つ。
 これで、いよいよ引き返せなくなったと。
「ルシ君は会う度、災難ばかりねえ……」

 十三年ぶりの再会に、拳を叩き込むつもりは無かった。
 言いたいことは山ほどあった。
 息子が生まれてから逃げるようにシュレイドへ異動した事への文句とか。
 娘が彼と、ついでにカッツェとシキ菓子を楽しみにドアの前にいたこととか。

(情緒もへったくれもないなあ……)
 少しひねた態度を取る、しかし真っ直ぐ過ぎた少年。
 それが今や三十二と言う事実は、なんとも複雑だ。
 そして、もう一つ。
 息子のハンター仲間が彼の、それもかなり近しい部下だったなんて。
 彼を通して聞くのも面白そうだった。

 ……どちらも、きっともう叶わないのだろうけど。

 夫はルシフェンとの会話に自分を参加させなかった。
 その時点で、内容はおおかたの予想が付く。
「さてさて、あの馬鹿にはどんなお仕置きをしてくれ……とと」
 軽口共に踵を返した足が、もつれる。

 ……ああ、ダメだ。
 今や病より君の手にかかる方が本望だとか、半ば本気で言ってくる。
 本当にこの手で引導を渡してやろうかしら?

「……リィは、きっと怒るわね」
 思えば、娘に残せるものはほとんど無かった。
 夫からは色々受け継いではいたのだろうけれど。
 その分、自分は息子にハンターとしての術を教えた。
 だから良いという話でも無い。

 何か残せないか。
 ふと背負った、もう振るうこともないだろう蒼い太刀を手に取る。
 ……病に冒された体に、それをへし折る力はもう無い。
 丁度、年が変わろうとしているその頃だった。

――Case2:古き世の詩人は歌う

 この涙で癒えるなら、私はいくらでも嘆きましょう。
 憎しみの跡をぬぐえるのならこの涙、枯れ果てることもいとわない。

 特効薬には、竜のナミダを必要とした。
 あの古歌は、ただ憎しみをいさめるだけではなかったのでは?
 そんなことを、つい考えてしまう。

 やっと独り立ちするかどうかのような白い一角竜。
 その背の上には赤衣の騎士。潜られさえしなければ、乗り心地は悪くない。
「……皮肉だよね」

 誇り高き角竜が小さき者に膝を折る、その忠誠はいかなるものか。
 孤高を好む角竜がその傍らに伴侶置く、その情の深さはいかなるものか。
 砂漠の砂塵の舞う向こう。
 角竜の嘆きが響いてる。

 無惨に角が折れ、甲殻さえ見る影も無い黒の双角。
 その背中に、連絡の途絶えた騎士の姿。
 銀髪の隙間から、全身を覆ってるだろう黒い出来物はよく見えた。
「アガレス……」
 筆頭がその名を呟く。ならばアレは、その愛騎のマギに間違いないのだが。

 その背に人を乗せた角竜が彷徨っていると言う噂があった。
 何人も近づけず、ただ彷徨っている。
 近づかぬ者は、特に襲うことも無く、ただ。
 事が事なだけに、狩られることもなく。

「おじさん、どうすんの?」
「このままにもしておけまいが……狩るわけにもな」
 筆頭は思案する。
 角竜婦人への畏怖を変な形で誤解されて、よくけしかけられた。
「……私が一発でも食らったら、解ってるな」
「うん……」

 覚えているだろうか。
 覚えているとして、自分は彼女を従えるだけの器だろうか。
 槍も盾も預け、いななく角竜の前に、立った。
「……お前は、母親だろう?」

 何故彼女に、そういえなかったのだろう。

――Case3:狩ってはならぬナミダ狩り

 ある者は安息の中、ある者はショックの中、ある者は生命の危機の中。
 飛竜のナミダは、そうそう流れるものではない。
 一頭に付き、大なり小なり一粒。少なくとも、狩人が一度の狩りに要する時間では。
 流すほど溜まるのに、相当な時間がかかるのだとか。

 それ故、まだ出来て数年の闘技場の飛竜達から搾り取られると言う事態は免れた。
 そもそも、過大なストレスをかけたら後が怖いと言う冗談もあったようだが。

 自給自足が出来ないのなら取ってくる。
 自然を相手に搾取を行う、その最前線に立つのが、狩人である。
 気分は少しいじめっ子。それよりはまだ建設的だと信じたいが。

 ドンドルマ地方西の果て。
 爽やかな風が通る森の一角にこんこんとわき出る泉。
 ほとりに立つのは深緑の女王。その足下に、甲殻が色付きだした子供達を従えて。
 緑、蒼、緑。どうやら、この子達の父親は蒼火竜。
 一般にリオス科の飛竜は亜種同士で番を組む。実に珍しい光景だった。

 禁猟区の拡大。しばしの冬を覚悟した狩人に飛び込んだのはナミダ狩り。
 この奇妙な仕事が案外好評だったのは、こんな景色のためかもしれない。

 そしてここにも、その光景を見守り、伺う影が、四つ。
 一人は赤いコートと混沌のパオで黒髪を団子一つに纏めた片手剣使いの男。
 一人は赤い皮鎧に翡翠色の帽子から蒼髪を覗かせる双剣使いの少年。
 一人は紫色で光沢のある鎧に、砂色の髪を鉢金で纏めた大剣使いの少女。
 一人は猫のかぶり物と猫スーツに、猫の姿を模した銃を持つ……多分男。

 巨大な飛竜と、小柄ながらも独り立ちが近いだろう飛竜が三体。
 子供の中でも一回り大きい緑の一頭は、長女だろうか。
 人間にとってしてみれば、彼女らが一斉に牙を剥けるのは驚異以外の何者でもない。
 無い……のだが。

「……どーりでランク問わず四人なわけだ」
「こういうの見ると……解禁されても狩りづらくなっちまうな……」
「いやいや。ここはみんな仲良く泣いてもらわな」
「リトちゃんとディ君足して、二で割ったら丁度いいんじゃねえにゃか……?」
 結構好き勝手言いながら見守る四人がいた。

 滅多に泣かない飛竜。涙を流すときは様々。
 子を産み、守り、育てる。女王が涙を流すのは一時の安息の時。
 即席チーム四人が顔を見合わせる。

「閃光と罠、頼むね」
「お前ならチビの尻尾もくぐれるんじゃね?」
「……全部そっちけしかけて良ーい?」
 上位ハンターが二人飛竜の目を引きつける役。

「じゃ、しっかりサポートしてよ」
「らにゃぁ」
「……不安」
 下位ハンター二人が回収役。

 リーダー以外のランク制限が緩く設定されているのも、この仕事の特徴だった。
 回収のみですら下位の者だけでは任せられない。万一のことがあれば罰則。
 強大な飛竜の相手を上位ハンターに任せ、下位のハンターに回収を任せる。
 上位ハンターをより多くの任地へ送る為の苦肉の策。
 滅多にない機会に、色めきだつ新人も多かった。

 ……本来、ランクとはハンターの命を守るための制度。
 それはより多くの人を救う為に、狩人の命を軽んじるという事。
 それはさながら、死者を殆ど出していない彼らへの嫉妬のように。

 まあ、当人達はそんな事、どこ吹く風。

「寝てる旦那を叩き起こす奴があるかーっ!!」
「だって回収終わって暇だったんだもーん」
 暇を持て余したリト、ことリトーシャが寝ているリオソウルの横っ面ひっぱたいて、ナミダの代わりに紅玉を手にしてしまったのはまた別な話。

「若いねえ」
「君たちと組めて良かったよ……」
「ん?」
「にゃにかにゃ?」

 首筋をしきりにかく猫男が帰還した直後、帰らぬ人となるのも。

――Case4:病の渦のその外で

 普段ならハンターの為に料理を運ぶハッカ柄が、今は裏のスタッフルームにいた。
 人手がない物がない薬がない。文字通り猫の手も借りたい現状。
 数十人数百人の狩人の振り分けは、さながら行軍進路を決めるか如く。

 ギルドに勤続十年のホリーさんは、それを任せるに足る信頼を既に得ていた。
 ……しかし、ホリーさんは知っている。
 自分がこの作業の一角を任された、本当の理由を。

 あの病、人間にしか発症しない。

 竜人族はその名の通り、竜に近いとされる種。
 それ故免疫が既にある。流石に、その涙に癒す力は無かったが。
 獣人族はその名の通り、獣に近いとされる種。
 疲労を引き金に発症する病は、気の向くまま生きる彼らにはどこ吹く風。

 そもそも感染しない者と、疑いとはいえ保菌しつつも無害な者。
 苛立ちとと悲しみの矛先は、火を見るより明らかだった。

「ちょっとおじゃまするミャ」
 裏口からカランと鐘を鳴らして入ってきたのは銀青虎。
「ケイン君、いつも悪いニャ」
 司書見習いのケイン君、効率重視の割り振りならお手の物。
 生真面目な彼を見てると、発症しないのには違う理由がありそうな気もするが。

 まあ彼のおかげで、細かい依頼の割り振りなんかは随分楽になった。
「あー、それなんだけどミャ。ちょっと明日から来れなくなったミャ」
「ニャんと!?」
「……司書さん、亡くなったミャ。あのアホ、先行き短い解って狩り場出てたミャ」
「そ、それって……」
 美声の銀青の口が、最近悪くなった気がする。
 少し不自然な声色に、その理由はすぐ解ったが。

 ホリーの脳裏に浮かぶのは自分の失態。
 美声の銀青虎は、口調を変えずに否定する。
「何が阿呆って、ほんっとあのアホ、帰るなり猫スーツも脱がずにぽっくりミャ」
「……そう、ニャか……」
 ホリーさんは見た。
 彼の目の周りの毛が、不自然に湿っているのを。

 ケインと一緒に黙々と依頼を割り振る。
 彼の特性ブックカバー(マカライトで補強済み&チェーン付き)に妙な跡がある事に気付いたのは、偶然だった。
「それ、どうしたニャ?」
「ん? ちょっと馬鹿二匹ぶん殴ってきたミャ」
「あらニャ」
「勢いで駆けつけたナイトもぶん殴っちゃったミャー♪」
「こらこらこらこら」

 依頼書に、肉球に似た染みがいくつかあったのは別な話。

――Case5:その責は誰が為に

 日が傾く頃のドンドルマの片隅、小さな施設の小さな入り口。
 そこから出て来たのは黒髪の少女。
 ぎこちなくその手を取る黒髪の男。

 生け垣の影から、その様子を伺う新米ナイトが二人。
「ねえバリー……」
「なんだ、アルト?」
 従兄弟で、幼なじみで、コンビを組む二人。言いたいことは以心伝心。
 それすなわち、理不尽だ、と。

 それは例えば、密猟団の所行によって広まった病の犠牲者達。
 それは例えば、身寄りのない子供達の為に栄養剤を届け続けた先輩の恋人。
 それは例えば、母親を失った少女と、彼女を引き取った先輩。
 それは例えば、父の業故に殺された、二人があこがれた女性。

 それは例えば、ゴロツキを追い払おうとして、巻き添えでぶん殴られた自分達。

 咎のない人間などいないとでもいうのだろうか。
 だとしたら、生きている限り咎を負い続けるのだろうか。

 古い干渉に引きずられた若者二人。
 背後からひたりひたりと近づく影に気付かなかった。
「あの子の事を思い出したんニャら、ジャッシュさんにお声の一つもかけて上げてくださいニャ」
「「どああああああああああっ!?」」

 相手がアイルーとはいえ、騎士にあるまじき失態である。

「盗み見とは良い度胸だ」
 そして盗み見ていた相手からも蹴倒されるという失態も追加。
 仰向けに倒されるアルト。それに押されて尻餅をつくバリー。
 従兄弟で、幼なじみで、コンビを組む二人。
 アルトが割を食うのも幾つもの事だ。

 アルトの視界に少女の見下ろす、と言うより見下すような目が映る。
 それはあまりにも板に付いていて、先輩の行く末を察するに十分だった。

 バリーの視界に、アルトにそう思わせるほどにしゃん背筋を伸ばす少女が映る。
 その姿はとても力強く、しかし無性に悲しく見えた。

「父の同僚の方ですか?」
 そして紡がれる声もその姿に似つかわしい。
 九歳の子供が発している声と思うと、どこか悲しかった。
 だから……。

「良かったっすねジャッシュさん」
「父親と認められなくて悩むことは無さそうですね♪」

 二人は、思いっきりおどけることにした。

――Case6:決意の代償

 深夜。傍らのベッドで眠る、先ほどほど娘になったばかりの少女の髪を撫でる男。
 ……ジャッシュの目には、どうしようもならぬ無力感が霧のように漂っていた。

 もとよりジャッシュの住まいは男一人のそれ。
 情けない話ではあるが結婚を機に、この家に住むことは決まっていた。

 その少女の首筋に、赤い筋が、うっすらと連なっている。
 これが吹き出物に変わり黒ずむ前なら、栄養管理さえしていればなんとかなる。
 ケルビの角の粉末と活力剤を取り出しながら思い出す。

――君には家族はいるかい?
――じゃあ、君が彼らを守らないといけないだろう。
 そう言って研究資料の写しを渡した男の声が、脳裏に響く。

 結局、守れなかった。
 愛した女性も、十年来の親友も。
「……あなた方にも、守るべき相手がいたのではないのですか?」

 あの夫婦に限って、病で逝ってしまうようには、とても見えなかったが。

 その夫婦がいる村を訪れたのは、どれほど前のことだったか。
 出向いたのはジャッシュと、彼が指導する新米二人。
 その足となったのは、銀髪の蒼装束、アガレスが従える黒角竜のマギ。

 四人と一頭がたどり着いたとき、響いたのは冷ややかな声。
「そして、全て吸い枯らし、自らもまた死に絶える。ね……」

 蒼髪の婦人を取り囲むゴロツキの類がざっと見で100名ほど。
 それまでの会話を彼らが知る術はなかったが、その言葉は今も耳に残っている。

 その後に彼らがが見たのは一方的な暴虐の図。

 これが婦人へのそれなら、ナイト四名による制圧に移るはずだった。
 フルフルの素材で作られた皮鎧を纏った夫が、呆れたように笑う。
「君たちの仕事、なくなっちゃうかもね」
「……そのようで」
 首筋を掻きながら仕方ないなと笑いつつ、ギブスその他の用意をしながら。

 ちぎっては投げちぎっては投げを繰り返すのは婦人の方。
 ゴロツキと呼ぶには失礼なほど統率の取れた徒党が、見る影無し。
 むしろナイト四名は思う。自分達でも素手でアレは無理だと。

 時々骨の折れる音や筋の切れる音が響く。
 流石に、五体満足で押さえるだけの余裕はないようだ。
 かといってナイト四名にはまだ任務がある。
 あの暴風に飛び込めるほど命知らずでもない。
 ……黒角竜が後退るとなればなおさら。

 密猟の結果、引き起こされた事への怒りがなかったと言えば嘘になる。

 労せずして任務の四半分を達成。
 残る四半分、徒党を纏めていた地方領主の捕縛も早々とすませ、あと半分。

 背後に角竜婦人が控えている以上、早々と失敗が確定した。
「今ここから医師がいなくなれば、彼等は死を待つしか無いんだぞ!!」
 しかし……。
「お願いですっ!!」

 ジャッシュは食い下がった。いるのだ。
 全てを承知で、病に苦しむ者を助けようとする女性が。

 しかし、医師は首を横に振る。
 ハンカチと薬瓶を取り出し、自らの右頬を拭う。
 その下に黒い跡が、枝葉の如く広がっていた。
「これが、答えだよ」

 ……彼の研究資料を受け取る条件。
 決死の決意を、子供達に秘匿する事。
 彼の妻をなんとかして街に連れていく事。
 後者を実行しようとして二人仲良くなぎ倒され。その後の記憶がない。
 アガレスの愛騎は、主人より目の前の恐怖に膝を折ったらしい。

 ……その後、別行動を取らなければ、少なくともアガレスは……。

 そこまで思い返したところで、異臭がジャッシュを現実へ引き戻す。
「……む」
 活力剤と混ぜられた粉末がペースト状にならず、所々塊になっていた。
 液体と粉末の配分が、いにしえの秘薬調合の難しさの最たる要因。
 上手くいけば水分が適度に抜け、赤い丸薬が練れるはずなのだが……。

 眉をひそめる顔こそを、人は彼らしいと言う。
 そこに声をかけたのは、娘だった。
「それなら私が明日作ります」
「……すまん。起こしてしまったか」
「異臭で寝不足なんてたまったもんじゃありませんから」
 前途は多難。

 しかし自分には、まだ守らねばならぬ者がいる。