【二ヶ月前】

「えっさニャーほいっさニャーいっそげっやいっそげ〜♪」
 霧に覆われた沼地を走る影。
 猫の獣人、アイルー達の手押し車は通称ネコタク。
 移動距離はいまいちなものの、アイルーの瞬発力故の最高速を誇るそれ。
 用途は飛竜の目の前で倒れたハンターの救難用、戻り玉によるキャンプへの搬送と多岐に渡る。
 それが今、負傷者の代わりに荷物を乗せて疾走中。
 緊急性を要していないのか、普段よりはローペース。
 ネコタクが用いられたのは、単純に荷物が多いから。

 だけど彼等はまだ知らない。
 スコープの十字の向こうに、自分達を覗き込んでいるのがいるなんて。
 疾走中の自分達。失踪中になるなんて。


   ――『善悪偽善の三拍子』――
      善の定義はいずこへと

「まったく、こういうケースが一番困る」
 言葉は耳に痛く、顎の下では鋭い切っ先がギラリと光る。

 周囲を取り囲むような本棚の中心。
 赤い絨毯に、机が一つ。

 そこに腰掛ける黒いコートの男。
 裾からチラリと覗くギルドの紋章。
 柔らかな黒髪の隙間から覗く濃紺の眼には、冷ややかな笑み。
 手にしているのは、柄にツタのような装飾が施された、ヴァルハラと呼ばれる剣。
 ランスに区分するにはやや短い切っ先が、自分の顎を持ち上げる。

「全て……私の独断です」
 敬語は不要。そうは言われたが誉れあるナイツ筆頭と一対一。
 初めての顔合わせが、まさか裁きの庭なんて。
 そこから書斎へ引きずられ、今に至る。
 ぱっと見て頭が痛くなるような蔵書の山は、自分好みの武芸書だった。

「私も、力に溺れた愚か者なら両手に余るほど斬っているんだが」
 そうして得た地位だからこそ、敬語は要らない。
 引っ立てられたその場ので言われた言葉だ。
 だが、ここまで話が通じそうな雰囲気で来られると、逆に萎縮するのが人間らしい。
「どちらの主張も正しく、だが誤りであり、双方共にリスクを伴う」
 自分に何を言えと言うのか。
 伝えるべき事は伝えるべき者に伝え、覚悟の上で出頭したというのに。
「ところで、サー・ディフィーグ」
「……はい」
「君は、自分の正義を主張しないのかね?」

 【一ヶ月前】

 繁殖期も後半をとうに越えた頃。
 荒れ地をガタゴト進む馬車の上、二人のナイトがそこにいた。
 ……正しくは、灰色四つ足の草食竜、アプトノスの引く竜車。

「んで先輩、今回って具体的には何すんの?」
 蒼髪に青い装束を纏っているのはまだ若い、十代後半ほどの少年。
 腰に携えた二振りの、水晶の双剣。その柄に辛うじて「Dy」の文字が見える。
 答えたもう一人は、真っ直ぐな硬い黒髪を垂らした……一言で言えば強面の男。
 そして黒を基調とした、やはりナイトの装束を着た男だった。
 荷台の上には彼のものであろう盾が置かれている。
「村に火竜種減少の旨を伝えるだけだ」
 つまり狩るな、と言うことだ。
 生態系の維持。
 ハンターが必要とされていながら狩猟に出向く人数その他の制限の理由。
 人狩りと後ろ指を指されながらもナイトが手を汚す理由。

 少年はこの装束、ギルドナイトスーツがあまり好きではなかった。
 確かに見た目は良い。炎妃龍の甲殻を用いたそれは軽さも堅牢さも申し分無い。
 だが、窮屈だった。幼い頃には憧れた羽帽子も、いざ被って見ると視界が悪い。
 下した評価は「微妙」の一言に尽きた。
 今回はいわゆる「表」の、穏便な仕事だから渋々と言うところだ。

「所でジャッシュ先輩〜」
「何だ?」
「暑い」
「それはだな、炎妃龍の怨念がだな」
「怪談ネタ、飽き……ん?」

 言葉を続けようとして顔をしかめる。鼻につーん? じわ? 生暖かい?
 とにかく空気の粘度が倍ぐらいになったような感覚が漂ってきた。
 ただの異臭ではなく、どことなく、古龍との戦を思い出す臭い。
 村の入り口に吊された、龍殺しの実と、柵に塗りつけられた肥やしがその答え。
「……えらい重装備だな」
 原因は熟を通り越し、既に腐りきったそれによるものだった。
 ただでさえ蒸し暑いこの日和に、である。
「比喩抜きで鼻が痛ぇ……」
 グズグズに熟れた果実を、気持ち悪いと思いつつ何度も見やってしまう。
 これから向かうのはハンターズギルドの集会所。
 ハンターの血と汗、場合によっては薬品の臭いまで漂う場所である。
 嗅ぎ慣れた臭いが熱気の中どうなるかを想像していた少年は、部屋に半歩踏み入ったとたん、側にあったテーブルに突っ伏してしまった。

「い、生き返る〜……」

 違う。ここだけ空気が違う。
 村が寂れているためか汗くさい臭いのハンターがいない。
 窓にかかる簾は落陽草。風鈴に使われているのは氷結晶。
 物理的に与えられたこの涼しさ。若きナイトは白旗上げての体たらく。
 意識の片隅、視界の外では型どおりに事を伝える先輩と責任者。
 どうせペアを組むのは万一の為なのだから自分はぐうたらが基本である。
 職務怠慢と言ってはいけない。自分の仕事など無いに越したことは無いのだ。

 あー涼し。あー気持ち。これでギルドナイトスーツじゃなかったらなぁ……。

 冷ややかな空気に意識がまどろみかけていく。
 いよいよ本当に寝息でも立てはじめようかと……

バサッ

 羽音に目を見開く。
「出たぞーっ!!」
 一拍の後に、悲鳴とも咆吼とも取れる音響。
 状況を尋ねる前に自ら動いた。
 開け放たれた窓を乗り越えた向こうにいたのは、目映い銀色の翼。

 坂を駆ける足は止まらない。止められない。
 豆より小さな牧童を、視界の端に認めてしまったから。
(でけぇ……!)
 視界の向こう、遙か先の農場へ滑空する銀火竜。
 遠目に巨大なそれ。近くにいるだろう草食竜が豆粒ほど。
「坊主、伏せろっ!!」
 双剣を抜く。柵に足をかける。勢いに任せて跳躍する。
「ディフィーグッ!!」
 ……それ故に、どう攻撃しようかなど全く考えていなかった。

 されどその勢いは鬼人化と言う付加効果を与えられ、

 獲物に食らいつこうと加速していた銀火竜の勢いが相乗効果となり、

「止まれぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

 蹴りと言う手段故、一点に収束した圧力は、

ガスッ……!

 中堅クラスのハンマー並にまでなっていた。

グガアアアアアアアアアアッ!

 たかが中堅。されど中堅。激痛に藻掻く銀火竜。
 反動に任せた宙返り、着地、構えの一連を終わらせ、いざ。
「行くぜっ!!」

 バサバサバサバサ……

「……あれ?」
 そう思った誰もの期待を裏切り、そのまま銀火竜は逃げ出した。
 なにやら、くきゅーとか、かきゅーとか、奇妙な悲鳴を上げながら。
 少年……ディフィーグと、彼の言葉通り伏せた牧童はしばしそのままの姿勢でいた……。
 まあ、よくよく考えたら「狩るな」と言いに来たのだからこれでいい。
 一足遅れてやってきたらしい、紫の鱗と同色のヒレで装飾された鎧のハンター。
 彼に牧童を任せ、集会所に戻る。

 そこで始めて、ディは自分の過ちに気が付いた。

 ゴリゴリゴリゴリゴリ……

 数を極端に減らしていたはずの火竜、それも希少種のはずの銀火竜。
 その襲撃が日常的と聞いた二人は、その旨を上に連絡。
 返答が来るまではは集会所の二階を借り受ける事になった。
 木を組まれた、よくある部屋に、白いシーツのベッドが二つ。その上で……。

「なあ、ディ」
「なんすか?」

 ゴリゴリゴリゴリゴリ……

「靴底が無くなるぞ?」
「まだ臭いが残ってるような気がしまして」
 ガリガリガリガリガリ。
 伝書鳩を飛ばして、早二時間。
 抗菌石と落陽草をすりつけ続ければいい加減臭いも消えると思うのだが……。
 どうにも気になり、武器の手入れもそこそこ悪臭除去に勤しんでいる現状。

「にしても……厄介なところ当たっちゃったな」
「狩りの予定は?」
「選択権の無い問いならお断り」
 少なくとも、懇切丁寧に行動書を提出するような性分では無い。
 代わりというわけで無いが短期間の依頼が最近多くなった。
「ではもう一つ」
 それ故、上が使おうと思ったそのときに使えるわけだが。
「その抗菌石はどうした?」
「こないだ調合して貰った残り」
 だろうなとジャッシュが呆れたように笑う。
 ディに調合させたら漏れなくゴミになることを良く知っている。
 ごりっ
「〜っ!」
「……いわんこっちゃ無い」
 靴底の代わりに自分の指を擦ってしまった。

 こすっていた理由が理由なだけに唾を付けるわけにもいかず、洗面所に駆け込む。
 片足が裸足だっために棘を踏む。
 洗面台の前で片足を上げているその姿は滑稽そのもの。
「……何やってんだ、アンタ?」
 と、背後から言われても仕方がない。
 先ほど牧童を預けたハンターが鏡越しに、不審者を見るような目でこちらを見ていた。
 手洗いととげ抜きに夢中だったディは気付いていない。
「で、何か用?」
 その兜を外した目つきが、先刻まで静かな敵意を秘めたものだったことに。

 飛竜とて馬鹿ではない。縄張り意識の強いリオレウスなら尚更だ。
 獲物が多くてもリスキーな人間の住処よりは森の方を取る。
 もちろん、縄張り争いの敗者が人里付近に来ることはある。
 だが、個体数の減少が確認されている以上その可能性はあまりに低い。

「狩るなってのはどういうことだ!!」
「……正直こちらも困っているんだが」
 と、知識はあるがこの手の交渉はジャッシュの仕事。
(俺もあやうく狩りそうになっちまったしなあ……)
 口より体を動かす方が本分のディは相づちを入れるに留まる。
「そういや、この村のハンターって、お前だけ?」
 その相づちに、若いハンターは口をつぐんだ。

 この村本来の特産は、アイルー達との交易で手に入れた素材による工芸品だった。
 ここ一ヶ月そのアイルー達と連絡が取れない。
 日用品も彼等に頼っていたため、今は余所から高値でそれらを仕入れている有様。
 結果、交易の手段である酪農がこの村の命を繋いでいる。
 タダでさえ少なかったハンター達は、物価の上昇を嫌って余所へ行ってしまった。

「そこへ、あの銀火竜だよ……」
 話し終えて頭が冷えたのか、カイと名乗ったハンターはあっさりと帰っていった。
 こちらの立場もあるだろうけど、と言って。
 ただ深刻な顔をするジャッシュ。
 頭を抱えるディ。
 彼の気遣いに、胸が痛んだ。
「ディ、解っていると思うが……」
「解ってる。俺だって……あんなのはもう勘弁だ」
 二人の間に流れる、沈痛な間。
 スーツを脱ぎ捨て、肌着一枚になり、それでも粘っこい空気がまとわりついていた。

 そして目覚めも決していいものではなかった。

 布団をはね除けて、最初に見えたのは窓辺に佇むジャッシュ。
 ちらほらと見える茶色い尾羽は伝書鷹のものだろうか。
「……上はなんだってー……?」
 高官や上層部は連絡に鷹を飛ばす。筆頭のは黒だっけか?
 ジャッシュは振り向かない。ディも起き上がらない。
 どうせ返答を聞けばまたベッドに倒れ込むのだから面倒だ。
「せーんーぱーいー……?」
 ところが、ジャッシュは何時までも振り向く素振りがない。
 これはいよいよ不味いのか。不安だが、声をかけねば進まない。
 が、寝苦しい夜、十分な睡眠を与えられなかった体がそう動くはずもなく……。

ガクッ

「!!」
 切磋に飛び起きる。
 一瞬だけ崩れたジャッシュのバランス。
 どうやら立ったまま寝ていたらしい。
「……あ、ああ……ディ……おはよう……」
 ナイトに就任してからもうじき一年。初めてジャッシュは寝起きが絶望的な事を知った。
 無意識の力に足を掴まれて耐える鷹が健気で仕方ない。
「先輩……そろそろ放しましょう、手。それと、腰」
 ギルドガードコイルの、前後が逆になっていた。

 指摘した所、拳骨を一つ貰ったが気を取り直して状況把握。
 密猟。一番見たくないと思っていたその文字に頭が痛い。
「うぜぇー……」
 そうして暇、だるい、後味微妙の三拍子を喰らうのは下っ端である。
「恐らく草食竜や下位の飛竜も狩ってるだろうな」
「粛正していーい?」
「筆頭が暇してたから出番はないと思うぞ」
 ここまで話したところで、会う事の無い者に黙祷を捧げる。
 恐らくは殲滅まで三日もかからないだろう。
「……俺達は、ここのハンターが全滅しないようしておきますか?」

 炎天下の外では夕べ、カイと名乗ったハンターがどこかへ向かおうとしていた。

 裏切られた。もしくは、見捨てられた。
 集会所の責任者から聞いた時、カイは真っ先にそう思った。
 だが怒鳴り込んでみれば、牧童のエドを救ったナイトは自分より若い……幼いと言っていい少年。
 何をやっていたのか、その滑稽さに抜かれかけた毒気をかき集めて啖呵を切った。
 帰ってきた沈痛な反応に、最後の毒気も綺麗さっぱり霧散してしまってはいたが……。
(そんなんじゃ……もたねえよな、やっぱ)
 だが相手は対人戦を主とするギルドナイト。
 来て早々その言葉を無視するつもりなど毛頭無かったのだが……。
「お前、死ぬぞ?」
 かけられたのは冷たい声。
「……問答無用って……」
 首筋に迫る切っ先。
 剣に手をかけよう。そう意識したとき、既に。
 若い方のナイトが、少しばかり着崩した格好でそこにいた。
「それじゃ、違う理由で死んじまうぜ?」
「あ……」
 その笑顔は、年相応より、少し幼く見えた。
 はだけた胸元を汗が通る。今日も蒸し暑い。

 連れてこられた場所は集会所。本当は素通りするはずだったが、逆らえるはずもなし。
 クーラードリンクほどでないが、冷たい飲み物を奢って貰っては尚更だった。
「くっそー、その手があったかー。いーなーガレオスー」
「いや、本当は不要なんだけどな……つい」
 若いナイト……ディが耐熱効果のあるガレオスUのヒレを掴んでふてくされている。
 決して安いものではないので正直勘弁願いたいのだが。
「俺も三年ぶりに戻って実感したよ……いや、あの時はまだ氷結晶もストックがあったけど」
「それも猫から?」
 そう。だから自分が採掘に向かい、銀火竜対策に光蟲も取ってこようと思っていた矢先の事だった。
「で、何だよ死ぬって」
 尋ねてみたらテーブルに突っ伏している。このまま寝首をかいてやりたいが我慢。
 何が腹立つって、十七の癖にハンター歴が二十三になる自分の倍だって事。
「その剣、効かないから」
 少なくともディが持ってる一対の細剣より余程頼もしいと思うのだが。
 そして何より、この剣はただの片手剣では……。
「銀にゃ封龍効かないから」
「へ」

(あー、知識面へっぽこだコイツ)
 ディが自分の一言に呆けるカイを見て、思ったことがそれだった。
 たまにいるのだ。腕はいいのに知識面が圧倒的に不足しているのが。
 どちらにせよ聞く耳があればいいのだが……この呆け具合は厳しい。
 現にカイの肩は既に震え始めており……。
「どう言うことだ!?」
 机の震動に、いよいよ諦めの入ったディ。
「親父はコレで、金竜を仕留めたんだぞ!?」
「はぁっ?」
 疑問の声と胸ぐらを掴まれるのは、ほぼ同時だった。

「それは、君の父上がそれだけ秀でていたと言うことだろう」

 次いで椅子から引き上げられるのを待っていたかのように、いや、待っていただろうジャッシュの声が響く。
 ナイトらしからぬ失態を見逃してくれる様な人間では、無い。
「世の中、弓一本で古龍を下す女傑もいるぐらいだしな」
 その言葉に見知った人物の姿が過ぎる。
 露骨なのは性格でなく、語呂の無さによるものだろう。
「これから火竜の件とアイルーの件、双方の報告書を出し鳩舎にいくが……ディと適当に遊んでいてくれ」
 でた、子供扱い。
「俺も二十三なんだけどー?」
 カイも返答の語尾が上がっている。
「ふむ、それは失礼した」
 強面ジャッシュの顔が緩んでいる。
(……いつもは三十二から見れば一緒っつーくせに)
 ふてくされているのは、ディだけだった。

 そして、ナイトの仕事がもう一つ増えた

「おっかしーだろトラップツールに千ゼニーてーっ!!」
 留守をジャッシュにまかせ、カイと共に採集に出向く事になったディ。
 背負っているのは先ほどカイが作ってくれた手製のピッケルと虫網。
 乱舞してみたい気もするが、滑稽にも程があると思い、やめた。
「だから言ったろ、物価が上がってるって……」
「いーや、原価さっ引いたってこれはおかしい!」
 行きがけにジャッシュがその値段で砥石を大人買いしているのを見た。
 一般の五倍。街ならしかるべき機関(ナイトではない)が取り締まるに値する。
 不幸中の幸いは、今や顔見知りのみで村が成り立っているため、値引きが効くということだ。
「あのおっさ……ジャッシュさんって結構いい人?」
「効きもしない龍殺しの実といい、ぜってー付け入られてるって」
 次の仕入れは来月。直に殴るのは無理そうだったが。

 飛竜が減ると、真っ先に増えるのがランゴスタを初めとした巨大昆虫。
 そして真っ先に減るのがその餌となる光蟲等の益虫や素材となる昆虫なのが常である。

「……この収穫量は反則だろ」
 袋いっぱいに詰まった昆虫類はその常識を覆し、カイが上位ランクでありながら知識に乏しいことを納得させるに十分だった。
「元々飛竜より虫のが多かったんだ。ちょっと前まで、柵にゃ毒煙玉が備えてあったんだぜ」
「できればその頃に来たかった……」
 ちなみに本来ここまで採取すると色々問題になるのだが、非常時と判断したためジャッシュが全責任を負う形で承認してくれた。

 乱獲と食糧難の影響から、草食竜の数も減っていたことも大収穫の一因だろう。
「皮肉な話だよ……アイツが来たお陰で収穫そのものは増えてるんだ」
 その増えた収穫を使い対火竜用の閃光玉その他を作る。
 この辺りでは生えない粘着草を高値で仕入れる為に貧しくなる。
 今日使ったピッケルの材料は、銀火竜に潰された家畜の骨だった。